放課後等デイサービスとは?いつから・対象・児童発達支援との違い・5領域
学校に通う障害のあるお子さんが放課後や休業日に通う「放課後等デイサービス」を、こども家庭庁のガイドラインをもとに保護者向けに解説します。
この記事の結論
- 1放課後等デイサービスは、学校に就学している障害のある子どもが、授業の終了後や休業日に通い、生活能力の向上と社会との交流の支援を受ける児童福祉法のサービス(受給者証が必要・原則1割負担)。
- 2利用できるのは小学校入学後から。就学前は「児童発達支援」が担当し、入学を境に切り替わる。在学中が対象で、高校卒業後は大人向けの障害福祉サービスへ移行する。
- 32024年7月改定のガイドラインで、本人支援は「健康・生活」「運動・感覚」「認知・行動」「言語・コミュニケーション」「人間関係・社会性」の5領域を踏まえて計画・提供することになった。
放課後等デイサービスとは(児童福祉法の定義)
放課後等デイサービスは、児童福祉法第6条の2の2第3項に定められた「障害児通所支援」のひとつです。 ガイドラインが引用する法律の定義をかみくだくと、学校に就学している障害のある子どもを、授業の終了後または休業日に施設に通わせ、生活能力の向上のために必要な支援や社会との交流の促進などを行うサービスです。
「障害児の学童保育」と説明されることもありますが、単なる預かりではありません。 こども家庭庁のガイドラインは、様々な遊びや多様な体験活動の機会を通じて「生きる力」を育むことを目的に掲げ、 支援を本人支援・家族支援・移行支援・地域支援(地域連携)の4つに整理しています。 一人ひとりに「放課後等デイサービス計画(個別支援計画)」を作り、それにもとづいて支援が行われます。
放課後等デイサービスはいつから・誰が利用できる?
対象は、ガイドラインの定義どおり「学校教育法第1条に規定する学校(幼稚園及び大学を除く)又は専修学校等に就学している障害児」です。 つまり小学校入学後から利用でき、小学校・中学校・高校・特別支援学校などに在学している間が対象になります。
- いつから小学1年生の4月から。入学前の年度に受給者証の申請を進めておくと切れ目なく通える
- いつまで学校に在学している間(一般的には高校3年生まで)。18歳以降も支援が必要な場合は大人向けの障害福祉サービスへ移行する(大阪市の案内)
- 障害の種類身体障害・知的障害・精神障害(発達障害を含む)など。手帳の有無は問わず、医師や児童相談所が療育の必要性を認めれば対象(神戸市の案内)
- 必要なもの市区町村が交付する通所受給者証。申請方法は「受給者証の取り方」を参照
専修学校・各種学校に通う場合は「市町村長が支援の必要があると認める者に限る」とされているため、個別に自治体の判断になります。
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児童発達支援との違い
どちらも児童福祉法の障害児通所支援で、受給者証・利用者負担のしくみ・ガイドラインの5領域は共通です。違いは対象年齢と支援の場面です。
| 児童発達支援 | 放課後等デイサービス | |
|---|---|---|
| 対象 | 主に就学前(0〜6歳)の障害のある子ども | 学校に就学している障害のある子ども(小学生〜高校生) |
| 通う時間帯 | 平日の日中(保育所・幼稚園と併用する子も多い) | 授業の終了後、土曜日・長期休暇などの休業日 |
| 支援の内容 | 日常生活の基本的な動作や知識技能の習得、集団生活への適応のための支援 | 生活能力の向上のために必要な支援、社会との交流の促進 |
| 無償化 | 満3歳になって初めての4月1日から3年間は利用者負担が無償 | 無償化の対象外(所得に応じた上限あり) |
ひとつの事業所で両方を提供する「多機能型」の施設もあり、小学校入学後も同じ施設に通い続けられる場合があります。 くわしくは児童発達支援とは?をご覧ください。
放課後等デイサービスの5領域(2024年ガイドライン改定)
こども家庭庁は2024年(令和6年)7月に放課後等デイサービスガイドラインを改定し、本人支援の内容を次の5つの領域に整理しました。 ガイドラインは、事業所が5領域の視点を踏まえてアセスメントを行い、5領域の視点を網羅した支援を行うことを求めています。
1.健康・生活
心身の健康や生活に関する領域。健康状態の維持・改善、生活リズムや基本的生活スキルの獲得など。
2.運動・感覚
姿勢と運動・動作の基本的技能の向上、身体の移動能力の向上、感覚の特性への対応など。
3.認知・行動
認知と行動に関する領域。認知の発達と行動の習得、行動上の課題への対応など。
4.言語・コミュニケーション
コミュニケーションの基礎的能力の向上、言語の受容と表出、状況に応じたコミュニケーション、読み書き能力の向上など。
5.人間関係・社会性
人との関わりに関する領域。他者との関係づくり、集団への参加、社会性の育ちなど。
5つの領域は互いに関連しているため、ガイドラインは「計画に5つの欄を設けて個々に目標を立てる必要はないが、各領域との関連性は必ず記載する」としています。 また、市区町村が支給決定の際に行う「5領域20項目の調査」の結果を、保護者から事業所に渡して支援に活かすことも推奨されています。
保護者にとっての意味は、施設を選ぶときに「5領域をどう計画に反映しているか」を質問できることです。 運動だけ、学習だけに偏っていないか、お子さんの発達全体を見てくれるかを確かめる物差しになります。
どんな活動をする? 利用できる時間は?
活動の内容は施設によってさまざまです。生活スキルの練習(買い物・調理・公共交通の利用)、宿題のサポート、運動やダンス、ソーシャルスキルトレーニング、創作活動、外出や地域交流などが代表的で、 個別支援計画にもとづいて組み合わされます。
利用時間は、学校のある日は放課後から夕方まで、長期休暇や土曜日は朝から夕方までという施設が多く、学校や自宅との送迎を行う施設もあります。 施設カルテでは送迎の有無や専門職(理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・心理担当)の在籍を施設ごとに掲載しています。
利用の流れと費用のめやす
利用までの流れは「市区町村に相談 → 施設を見学 → 受給者証を申請 → 施設と契約」が基本です。 費用は原則1割負担で、世帯の所得区分に応じた月額上限(0円/4,600円/37,200円)があり、おやつ代などの実費は別にかかります。
くわしい手続きは受給者証の取り方、 料金の内訳は放課後等デイサービスの料金で解説しています。
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よくある質問
Q.放課後等デイサービスはいつから利用できますか?
小学校に入学した年度(小学1年生の4月)から利用できます。児童福祉法上の対象は「学校教育法第1条に規定する学校(幼稚園及び大学を除く)又は専修学校等に就学している障害児」なので、就学前は児童発達支援、就学後は放課後等デイサービスという切り替えになります。入学前の年度に受給者証の申請を進めておくと、4月からスムーズに通えます。
Q.放課後等デイサービスは何歳まで使えますか?
学校に在学している間が対象で、一般的には高校3年生(18歳になる年度)までです。大阪市は「18歳になり、以降もサービスの利用を必要とする場合は、障がい福祉サービスへ移行していただく」と案内しています。放課後等デイサービスガイドラインも、思春期のこどもには「高校卒業後の進路に向けた準備」が必要とし、卒業後に障害福祉サービス事業所へ引き継ぐ際は支援内容を情報提供するよう事業所に求めています。
Q.障害者手帳がなくても放課後等デイサービスに通えますか?
通えます。神戸市は「手帳の有無を問わず、児童相談所や医師により療育の必要性が認められた児童」を対象としており、多くの自治体が医師の診断書・意見書などで判断しています。ただし受給者証の取得は必須です。
Q.5領域とは何ですか?
2024年(令和6年)7月に改定された放課後等デイサービスガイドラインで、本人支援の内容を整理した5つの領域「健康・生活」「運動・感覚」「認知・行動」「言語・コミュニケーション」「人間関係・社会性」のことです。事業所は5領域の視点を踏まえてアセスメントを行い、5領域を網羅した支援を個別支援計画に反映することが求められています。
Q.学童保育(放課後児童クラブ)とは何が違いますか?
放課後児童クラブは就労などで保護者が日中家庭にいない児童の居場所で、障害の有無は問いません。放課後等デイサービスは受給者証を持つ障害のある子どもを対象に、個別支援計画にもとづく発達支援を行う点が違います。両方を併用する家庭もあり、ガイドラインでも放課後児童クラブへの移行支援が本人支援の一部として位置づけられています。
お住まいの市区町村で施設を探す
制度の確認が済んだら、次は通える施設探しです。都道府県を選ぶと市区町村ごとの児童発達支援・放課後等デイサービス一覧に進めます。
本ページは障害児通所支援の制度に関する一般的な情報提供を目的としたもので、法的助言や医療上の助言ではありません。 対象の判断や手続きは自治体によって異なる場合があります。本記事の自治体の例は2026年10月15日に各公式サイトで確認したものです。詳しくはお住まいの市区町村の窓口にお問い合わせください。
出典・参考情報
- こども家庭庁「放課後等デイサービスガイドライン(令和6年7月)」(PDF)(定義・対象・5領域・本人支援/家族支援/移行支援/地域支援)
- こども家庭庁「各種ガイドライン・手引き等について」
- こども家庭庁「障害児支援の体系(障害児通所支援・障害児入所支援)」(PDF)(各サービスの内容)
- こども家庭庁「利用者負担の仕組み」
- 神戸市「放課後等デイサービス」(対象・手帳の有無を問わない)
- 文京区「放課後等デイサービスとは」(対象・実費)
- 大阪市「障がいや疾病等のあるお子さまのための支援について」(18歳以降の移行)